目次
六壬神課占法要義
東海林秀樹著 上製 A5判 248頁 本体3,800円
かの諸葛孔明や安倍晴明も活用!
しばらく途絶えていた六壬書籍!
占術家が待ちに待っていた実占プロ向けの入門書!
はじめに
本書は、六壬易(神課)の入門手引きを目的として書きました(この本の表題は六壬神課占法要義としています)。ただし、入門と言っても、最低限の占的(占う目的)を設定しています。巷の一部に見られるような固定式の十二支関係のみの判断ではなく、天地盤、四課、三伝の相剋旺衰をある程度考慮した内容を含んでいます。
さて、説明が遅れましたが、六壬易(神課)とはどのような位置付けの占術なのでしょうか。
生年月日時から宿命を読み取る四柱推命、紫微斗数推命、ホロスコープなどの命理占と、偶発する事件や一事一占を考察する有名な文王易(周易)、断易(五行易)などに分類される卜占とに大別されます。六壬易(神課)はさしずめ卜占に属するでしょう。
この六壬易(神課)は、困難にぶつかったり、人生において迷いを生じたりしたときに、その解決や選択の一助になることは疑いありません。筆者も命理占の四柱推命、紫微斗数推命などとともに、周易および断易、時として六壬易(神課)を併用し活用しています。
筆者は占術の研究や資料を得るため、中華民国台湾にたびたび出かけています。どういうわけか、片手落ちの感はありますが、本土大陸や香港には一度も足を踏み入れたことがありません。台湾にはそれだけ占術を取り巻く環境が多肢に富んでいるからでしょう。そうは言っても、台北で時々会う大陸の八宇(四柱推命のこと)の達人は、親戚が台湾にいる関係で、年に一度だけ入国できる機会を利用して台湾に来ることからみても、現在の共産化された大陸、中華人民共和国でもかなりの術士が存在していると思われます。かの悪名高い文化大革命でかなりの打撃を受けたとの証言を直接耳にしています。まったく命懸けですね。
残念なことに、日本人から入門秘伝伝授料と称して平均数百万円から1千万円ほどの法外な金額を受け取っているという話を聞くたびに胸が痛みます。例えば大陸での話ですが、地方の農村では1年の収入が日本円で一番低くて数万円からよくて数十万円といわれているのに、占術における法外な費用は一体どういうことでしょうか。筆者も台湾でそのような経験を少なからずした者の一人です。もちろん、中には稚拙な知識しか持たない私に、根気よく解説していただいた先輩や老師の方もおりました。そのような方には一生の恩義を深く感じるものです。これは費用の問題ではありません。それは需要と供給、各自の満足度の問題ですから、それはそれなりに構わないのです。困るのは○○流派の何代目とかいう輩であったり、論語の作者であるといわれている孔子の子孫と称する者など、まるでおとぎ話のような話のことなのです。孔さんという名前の人はいったい何人存在するのでしょうか。心ある中国の人は笑っています。台湾の知人や中国大陸の方から、「東海林さん、その手の話に乗らないでね」という忠告を多く受けました。きっと私も騙されそうな間抜けな雰囲気を漂わせていたのでしょう。少し過激な言葉になってしまいました。
さて、六壬易(神課)についておもしろい話があります。それは数年前のことになりますが、うだるような暑さの台北に一人で出かけたときの話です。
ある紫微斗数の先生に八宇(四柱推命)の先生を紹介されたときのことです。一通り鑑定面談が終わったときでした。私が占術を生業としていることを事前に話していたので、そのような話になったと思うのですが。
「貴方は六壬易(神課)という占術をご存知ですか」と尋ねられたのです。そこで私は、「初歩的な概念や中級のとば口程度の知識はあります」と答えたら、「六壬易(神課)はあまり深く研究したり、鑑定に用いることはしないほうがよいのです」と言うではありませんか。
最初は何故そのようなことを言うのか理解に苦しみました。その理由を尋ねると、「六壬易(神課)はある壁を越えた段階で使うと、あまりにも的中率が高く、例えば、今日どのような客が来るのか、その雰囲気や顔形まで分かることがたびたびで、その確度の高さは他の卜占の追従を許さないほどの術占であるから、これを操る術士は分不相応な金銭が入ったり、天狗になる傾向がある」と言うのです。そこで私は、「その結果どのような事が起きるのでしょうか」と尋ねたところ、先生がおもむろに言うには、「術士は家族縁に薄くなる、突然の事故や病気になるといった不測の事態に襲われる」のだそうです。つまり洩天、人が知り得てはいけない天の機密を事前に情報として察知してしまう、という意味となるのです。
話半分としてもおもしろい話です。術の世界では優れた術士ほど貧(貧しさ)、孤独(家庭)、夭(短命)を経験すると言われています。私などはそれほど優れた術士ではないので、その心配は少ないでしょうが・・・。これはええかっこしいではなく、それから陰徳ではありませんが、この六壬易(神課)を自他占を問わず鑑定に使用するときは、ある種の簡便な作法、金銭を布施することにしています。このように自慢げに書いてしまうと、その効験も薄れてしまう恐れもありますね。
前置きが長くなってしまいましたが、本書を刊行するにあたり、次の方々に大変な労をとっていただきました。拙い原稿に根気よく目を通していただき、資料などを丹念に整理してくださった水沢有先生、占術研究家の宗像登吉先生、特に東洋書院のスタッフの方々には多大な恩恵をいただきました。ここに深く謝意を表します。
平成19年3月吉日 東海林 秀樹
目 次
はじめに
第1部 チャート作成と基礎判断
六壬易(神課)とは?
十干について
十二支について
流年(太歳)について
月将について
占う時刻について
同時間において複数を占う場合
地盤について
天盤について
四課について
三伝について
遁干について
十二天将星について
流年と本命について
六親星について
十二天将星、十二支関係
判断に入る前に
遁干について
陰神について
丁神について
類神について
十二支関係について
鑑定における八法
旺相休因死について
第2部 判 断 編
占的1 婚姻について
占的2 子供と妊娠について
占的3 家宅と土地について
占的4 疾病について
占的5 願望について
占的6 地位や名誉および試験
占的7 財運について
占的8 トラベルについて
占的9 家出について
占的10 裁判について
占的11 陰宅(墓)について
占的12 失せ物について
占的13 来訪について
占的14 部下を雇うことについて
占的15 六壬易(神課)命理応用
占的16 霊祟占について
参考文献
おわりに
各種表
時支表 時差表 月将表
十干寄宮表 六十干支表
中気節気表 万年暦 三伝表
東海林秀樹著 上製 A5判 248頁 本体3,800円
かの諸葛孔明や安倍晴明も活用!
しばらく途絶えていた六壬書籍!
占術家が待ちに待っていた実占プロ向けの入門書!
はじめに
本書は、六壬易(神課)の入門手引きを目的として書きました(この本の表題は六壬神課占法要義としています)。ただし、入門と言っても、最低限の占的(占う目的)を設定しています。巷の一部に見られるような固定式の十二支関係のみの判断ではなく、天地盤、四課、三伝の相剋旺衰をある程度考慮した内容を含んでいます。
さて、説明が遅れましたが、六壬易(神課)とはどのような位置付けの占術なのでしょうか。
生年月日時から宿命を読み取る四柱推命、紫微斗数推命、ホロスコープなどの命理占と、偶発する事件や一事一占を考察する有名な文王易(周易)、断易(五行易)などに分類される卜占とに大別されます。六壬易(神課)はさしずめ卜占に属するでしょう。
この六壬易(神課)は、困難にぶつかったり、人生において迷いを生じたりしたときに、その解決や選択の一助になることは疑いありません。筆者も命理占の四柱推命、紫微斗数推命などとともに、周易および断易、時として六壬易(神課)を併用し活用しています。
筆者は占術の研究や資料を得るため、中華民国台湾にたびたび出かけています。どういうわけか、片手落ちの感はありますが、本土大陸や香港には一度も足を踏み入れたことがありません。台湾にはそれだけ占術を取り巻く環境が多肢に富んでいるからでしょう。そうは言っても、台北で時々会う大陸の八宇(四柱推命のこと)の達人は、親戚が台湾にいる関係で、年に一度だけ入国できる機会を利用して台湾に来ることからみても、現在の共産化された大陸、中華人民共和国でもかなりの術士が存在していると思われます。かの悪名高い文化大革命でかなりの打撃を受けたとの証言を直接耳にしています。まったく命懸けですね。
残念なことに、日本人から入門秘伝伝授料と称して平均数百万円から1千万円ほどの法外な金額を受け取っているという話を聞くたびに胸が痛みます。例えば大陸での話ですが、地方の農村では1年の収入が日本円で一番低くて数万円からよくて数十万円といわれているのに、占術における法外な費用は一体どういうことでしょうか。筆者も台湾でそのような経験を少なからずした者の一人です。もちろん、中には稚拙な知識しか持たない私に、根気よく解説していただいた先輩や老師の方もおりました。そのような方には一生の恩義を深く感じるものです。これは費用の問題ではありません。それは需要と供給、各自の満足度の問題ですから、それはそれなりに構わないのです。困るのは○○流派の何代目とかいう輩であったり、論語の作者であるといわれている孔子の子孫と称する者など、まるでおとぎ話のような話のことなのです。孔さんという名前の人はいったい何人存在するのでしょうか。心ある中国の人は笑っています。台湾の知人や中国大陸の方から、「東海林さん、その手の話に乗らないでね」という忠告を多く受けました。きっと私も騙されそうな間抜けな雰囲気を漂わせていたのでしょう。少し過激な言葉になってしまいました。
さて、六壬易(神課)についておもしろい話があります。それは数年前のことになりますが、うだるような暑さの台北に一人で出かけたときの話です。
ある紫微斗数の先生に八宇(四柱推命)の先生を紹介されたときのことです。一通り鑑定面談が終わったときでした。私が占術を生業としていることを事前に話していたので、そのような話になったと思うのですが。
「貴方は六壬易(神課)という占術をご存知ですか」と尋ねられたのです。そこで私は、「初歩的な概念や中級のとば口程度の知識はあります」と答えたら、「六壬易(神課)はあまり深く研究したり、鑑定に用いることはしないほうがよいのです」と言うではありませんか。
最初は何故そのようなことを言うのか理解に苦しみました。その理由を尋ねると、「六壬易(神課)はある壁を越えた段階で使うと、あまりにも的中率が高く、例えば、今日どのような客が来るのか、その雰囲気や顔形まで分かることがたびたびで、その確度の高さは他の卜占の追従を許さないほどの術占であるから、これを操る術士は分不相応な金銭が入ったり、天狗になる傾向がある」と言うのです。そこで私は、「その結果どのような事が起きるのでしょうか」と尋ねたところ、先生がおもむろに言うには、「術士は家族縁に薄くなる、突然の事故や病気になるといった不測の事態に襲われる」のだそうです。つまり洩天、人が知り得てはいけない天の機密を事前に情報として察知してしまう、という意味となるのです。
話半分としてもおもしろい話です。術の世界では優れた術士ほど貧(貧しさ)、孤独(家庭)、夭(短命)を経験すると言われています。私などはそれほど優れた術士ではないので、その心配は少ないでしょうが・・・。これはええかっこしいではなく、それから陰徳ではありませんが、この六壬易(神課)を自他占を問わず鑑定に使用するときは、ある種の簡便な作法、金銭を布施することにしています。このように自慢げに書いてしまうと、その効験も薄れてしまう恐れもありますね。
前置きが長くなってしまいましたが、本書を刊行するにあたり、次の方々に大変な労をとっていただきました。拙い原稿に根気よく目を通していただき、資料などを丹念に整理してくださった水沢有先生、占術研究家の宗像登吉先生、特に東洋書院のスタッフの方々には多大な恩恵をいただきました。ここに深く謝意を表します。
平成19年3月吉日 東海林 秀樹
目 次
はじめに
第1部 チャート作成と基礎判断
六壬易(神課)とは?
十干について
十二支について
流年(太歳)について
月将について
占う時刻について
同時間において複数を占う場合
地盤について
天盤について
四課について
三伝について
遁干について
十二天将星について
流年と本命について
六親星について
十二天将星、十二支関係
判断に入る前に
遁干について
陰神について
丁神について
類神について
十二支関係について
鑑定における八法
旺相休因死について
第2部 判 断 編
占的1 婚姻について
占的2 子供と妊娠について
占的3 家宅と土地について
占的4 疾病について
占的5 願望について
占的6 地位や名誉および試験
占的7 財運について
占的8 トラベルについて
占的9 家出について
占的10 裁判について
占的11 陰宅(墓)について
占的12 失せ物について
占的13 来訪について
占的14 部下を雇うことについて
占的15 六壬易(神課)命理応用
占的16 霊祟占について
参考文献
おわりに
各種表
時支表 時差表 月将表
十干寄宮表 六十干支表
中気節気表 万年暦 三伝表
内容説明
かの諸葛孔明や安倍晴明も活用!しばらく途絶えていた六壬書籍!占術家が待ちに待っていた実占プロ向けの入門書!