呪術とその背景
目次
呪術とその背景
仁田丸久著 上製箱入 菊判 928頁 本体28,000円
解 説
長岡大学教授 定 方 昭 夫
本書は、故仁田丸久氏が昭和30年11月から昭和48年5月迄行なった617話という膨大な講義記録からの抜粋である。その意味で「著」ではなく「講述」となっていることにまずご注意いただきたい。
仁田氏の講義は、昭和30年から昭和32年迄の「周易裏街道」、昭和37年の「周易わかれ道」、昭和39年から昭和42年迄の「星占セミナー」、昭和42年から昭和47年迄の「うらおもて周易作法」、昭和44年の「水晶球凝視秘伝」、昭和45年の「幽数秘策」、昭和47年から昭和48年迄の「玄秘求深」、遺稿となった昭和48年5月の「源氏物語と古星占秘策」と、十八年半もの長きにわたって行なわれており、和文タイプの講義プリントは延べ232冊にも及ぶという大著である。
本書は、氏の講義録の中より、表題の如く、「呪術」に関するもののみを拾い上げて、アイウエオ順に編集し直して昭和49年に発行されたものの復刻である。
仁田丸久氏の令名は、まず何といっても日本の易占界に高い、ただ亡くなられたのが昭和48年ということで、すでに四半世紀も過ぎ、氏を直接知る人も少なくなっている。
しかし逆に占術界にあっては、氏の名前は伝説的な人物として語り継がれているといってよいであろう。
東にあっては亡き加藤大岳師の「易学研究」、西にあってはこれも亡き紀藤元之介師の「実占研究」を通じて、氏の玄妙なる筆になるエッセイを読まれた斯界の読者が多いことと思う。
「講義録」とはいえ、一般に市販されることがなかったため、市場に講義録が出回ることは殆どなく、その意味もあって氏の名前と実像は「伝説」のオーラを帯びることとなったといえる。
筆者自身は、といえば、加藤師の高弟T氏より●仁田丸久氏●の名をその講義中に耳にし、しっかりとインプットしたものであった。その折り、氏の名はペンネームであり、本名をもじったアナグラムであることをも聞いたのである。そのT氏も今は亡く、時の流れを感ずる次第である。
仁田氏は明治33年に生まれ、昭和48年に74歳で亡くなられた。長らく商社に勤務され、国際的取り引きに従事されたことが講義の端々からうかがえる。
862頁から883頁迄掲載されている「追想」を拝見すれば、既に小学生の時に新聞社での人相の先生の講義を聞きに行ったとのことであるから、まさに「栴壇は双葉より芳し」である。
「術」はそれを使う人間の品性と切り離せない。「追想」にもあるように、家庭的にさまざまな苦労をされた氏であるからこそ、人間を幸福にすべき「術」を語るにふさわしいと思われてならない。
氏が生涯かけて取り組まれた「呪術」とはそもそも何であろうか?
小学館の「日本国語大辞典 第二版」の「呪術」の項を引くと、「超自然的な力を直接的方法で呼び起し、望んでいる現象を起させようとする行為。『まじない』と『うらない』とがあり、」とある。
「うらない」を「呪術」に含めるこの定義にはいささか疑問がない訳ではないが、逆にいえば、「まじない」と「うらない」の両者に通じた氏にはピッタリの定義かも知れない。
「呪術」にも二通りある。分り易くいえば「黒魔術」と「白魔術」であり、言う迄もなく前者は、人の不幸を願って行うものであり、後者は人の幸福のために成されるものである。
生々発展の道を歩むべき人間のために「呪術」が本来存在している筈であるが、「術」を扱う人間の品性が低い場合、「白」は容易に「黒」に転化してしまうことがあることに留意すべきである。
自らの品性の低さを人様にお話するのは何ともお恥ずかしい次第であるが、分り易いと思うので、一つのエピソードを紹介してみたい。
もう十年も前のことである。真夜中に電話が鳴った。実家は東京にあるので、何かあったか、と思って受話器をとったものの、ウンでもスンでもない。向うは黙ったままである。これはイタズラ電話か、と思ったものの、その時はいつにも増して疲れていたせいか真夜中に起されたことに対し正直頭に来て、「こういう奴はどうやって呪ってやろうか?」と思った瞬間、それこそ一秒二秒もたたないうちに、自分の心臓が苦しくなったのには本当にビックリした。
恐らく「呪ってやろう」というこちらの念が電話の向うに伝わり、それがブーメランの如くまた念を発した自分に戻ってきた、と考えてよいであろう。どこの誰だか知らないが、イタズラ電話をかけてきた人はビックリしたであろう、おそらく電話の相手も心臓が苦しくなった筈である。
しかしこの時自らの体で悟ったのは、「人を呪わば穴二つ」という古諺が本当である、ということである。いくら相手がどんなに悪くても呪ってはいけない、ということをこの諺は教えている。
本書に紹介されているいろいろな「術」は、さまざまな苦しみにあえいでいる人間の幸福のために、人間界に伝えられたモノと考えるべきであって、間違っても他人を不幸に陥れるために使われてはならないことを銘記すべきである。
本書の512頁で仁田氏は語っている、術の「正邪を分つ根拠は、古神道の弥栄に貢献するか否かにあります。どんな清らかなことをしても、自分の欲望のためや他人を陥れるためにすれば、邪法です。その証拠に、対手をやっつけようと思って霊術を使いますと、それは利くには利くのですが、その何倍かのはね返りを受けます。これはホントです。だから私も人間ですから、むかついたとき、コン畜生と思って相手をやっつけたい気持の起ることもありますが、私はグットこらえてやらぬことにしています。」
「これはホントです。」といわれた仁田氏の言葉の重みを本書の読者は噛み締めなければならない。仁田氏がいわれるからには、「ホント」なのである。
疑う人は、小生のように自ら痛みを体験されたらよろしい。時には、「イヤ、俺は自分で体験しなければ、何も信じないタチだから、仁田がそう言ったからとて、ハイ、そうですか、と信ずる訳にはいかない。」とおっしゃる豪傑もいらっしゃるかもしれない。
その方には、ご自分で責任をとる覚悟がおありならどうぞご勝手に、と言うしかない。
仁田氏が関わったこの世界では、目に見える現実以上に、厳しい法則が存在していることを、いづれ身をもって体験されるであろう、としか言いようがない。
さて、仁田氏その人について語らねばならない。
やはり「小学生のとき、英語が習いたくて荒物屋の二階に若夫婦が住んでいて英語を教えてくれるというので習いに行った。」(863頁)とのことであるから、氏の英語力には年期が入っている。氏が商社に勤めるにあたっては、この英語力がものをいったであろうし、またそれをいかして占術・呪術関係の洋書あさりが、氏の「学」と「術」に深みを与えているといってよい。
516頁に文献としてあがっている「十六~十九世紀古文書『妖魔学』『自然の神秘』『魔法的星占師』」等にも目を通しているフシがある。
人相学で一家をなし、仁田氏とも親交を結んだ八木喜三郎氏は、氏が亡くなられてスグの5月12日の追悼会の席上、次のように述懐している。
「仁田先生は非常に博学の方で何でも知っておられましたし、また一度読まれた本は決して忘れることのない方です。非常に記憶力の優れた方でした。私は逆に記憶力が弱く、今読んだ本を置いて次のことをしますと、もう先の本のことはすぐ忘れてしまうので、実に仁田先生をうらやましいと思いました。」(「源氏物語と古星占秘策」、120頁)
実に八木氏の申される通りの人であったろう、と生前仁田氏にお会いするチャンスのなかった筆者は思うものである。
筆者が初めて仁田氏の「周易裏街道」を手にした時の興奮というものを、いまだもって忘れることができない。
二〇年近くも前に神田の占い専門の古書店で「周易裏街道」を手にとって二、三枚も頁をめくらないうちに、この本の持つ価値を実感したものである。
あまりの高額に一瞬ひるんだものの、古本というものは出会った時が勝負、また今度と思ったら、その今度は永久に来ないもの、と思わなければいけない、というのが、長年の古本屋街通いから身に染み付いた智恵であって、恥ずかしながら、近くの銀行に駈け込んでカード・ローンで「周易裏街道」を購入した次第である。
どなたかが、「周易裏街道」を評して天下の奇書と呼ばれたとのことであるが、まさにその名に恥じない。
ただ物を知っているというだけなら、世の中いくらでも、失礼ながら掃いて捨てる程いるかもしれないが、氏程その学の深さをうかがわせる人は少ないといって間違いない、と思うものである。
その「学」の深さも、ただ深いというだけなら、そこらの大学教授の中にゴロゴロいるかもしれないが、氏の凄さには何といっても「術」の裏付けがあるからである。
「野に遺賢あり」とは氏のためにあるようなものである。
「周易裏街道」の講義は昭和30年に始まる。敗戦後わずかに一〇年。この頃の日本の知的風土といえば、まだまだ食うのが精一杯といっても間違いなかったであろう。
その中にあって、氏は、「深層心理学」を例にとれば、フロイト・ユング・アードラー・ソンディ等の書物に親しみ、自家薬籠中の物としている。フロイトは戦前からいくつか訳はあったとしても、ユング・ソンディが知られるのは講義よりはるかに後のことである。
得意の英語力でそれらの著作を次々にものにしていったことと思われる。
熱心なクリスチャンであった氏の蘊蓄の基本を形作っているのは、旧約・新約聖書である。
それに単なる信仰の書としてだけでなく氏は「霊術の書」として新たな光を当てる。
そのような眼を養う上で氏に最も影響を与えたのは、古神道「天行居」を主宰した友清歓真であろう。
仁田氏の著作のあちこちに見受けられる神法道術を語るとすれば、友清歓真を抜きには考えられない。戦前「大本教」内部で広報活動の一端を担った友清についてここで語るには紙数がないので、関心のある方は全集等の著作についてみられたい。
筆者の見る所、友清の有していた霊術の精神の核となるものは、確かに仁田氏に引き継がれた感がある。
「易」について友清はしばらく思いを潜めていた時期があると聞くが、「易」については仁田氏の「周易裏街道」に極まる、といってよいのではないだろうか?
既に本書を読まれた方はお分りと思うが、氏の蘊蓄には、恐れ入る他はない。
前述した深層心理学・聖書・神法道術などは序の口に過ぎない。
アトランティスやムーに始まる超古代史・エジプトに代表される古代史等の西洋の歴史だけではない。
日本の超古代史・古代史にも筆は及ぶ。「古事記」・「日本書紀」については当然それらの原文だけではなく、本居宣長の浩瀚な「古事記伝」にも目を通されている。といった具合である。
若い時、霊能を求めていろいろ本をあさり、人にも教えを乞うて騙されることもあったと語る氏であるからこそ、その眼光は紙背に徹し、本居翁の未解の部分にも正解を与えている、ということは何といってもスゴイ。
近年こそ人の口にのぼるようになったエドガー・ケイシーにも早くから仁田氏は注目されていた。
その関係でいえば超心理学・心霊科学への目配りは当然のことであって今更記す迄もないことであろう。
筆者が仁田氏にどうにもかなわない、と帽子を脱ぐのは、氏の日本の伝統文化と芸能に関する蘊蓄である。能・歌舞伎・落語等のいわば日本的なるものの中に、「呪術とその影」を見出す、その眼力の強さというものには、何とも圧倒されっ放しという他はない。
伝統文化の中でも、いわゆる古典に関する素養も、明治生まれだからという訳のものでもないであろう。
とりわけ日本文学の古典中の古典ともいうべき『源氏物語』を「霊術の書」とよんだのは、氏が初めてではなかろうか?
「霊術の書」としての『源氏物語』について語ろうとした矢先に、氏が急に亡くなられたということは、或いは、語ってはいけない、という意味での口封じであったのであろうか?と思うと身震いを感じずにはいられない。
「ウラナイ」としての「易」を論ずるにあたって、氏は語る、「一生を費やして『易』の本当の意味を知ろうとしてきた。」と。
氏の講述は、その言を裏切らない。こんな注釈書迄読んでいるのか、と思う程、清代の易学書にも目を通されているのである。
長年の講述のうちから、呪術に関するエッセンスを抜き出した本書は、仁田氏の生涯をかけた本当の意味での血と汗がにじんでいる。この世界に馴染みの少ない人の中には、或いは途中で読み過ごす一節があるやもしれないが、ほんの数行にも仁田氏の「マジナイ」と「ウラナイ」に取り組んだ一生が投影されていると思うべきである。
このような形で氏の研究の成果を手に入れられる我々は、幸せであると共に、氏の学恩に報いるべく、本書に記されている「呪術」を、自分のため、人のため生かすべく努めなければならないと思う。
それが亡き仁田氏に報いる道であると心から思う次第である。
(さだかた あきお 心理学研究室)
2001年8月15日(敗戦記念日)記す。
目 次
解 説──定方昭夫(長岡大学教授)
第1
ア
1 アーサー・フォード
2 相手を自由にする法
3 葵の上
4 悪魔の逃げ口
5 アコルの谷
6 朝顔日記
7 アジャリ
8 安達原
9 吾妻はや
10 アナン尊者
11 アブラハム
12 安部能成
13 アポカリプス
14 アポロ
15 天のうずめの命
16 天の咲手
17 アマンダ・セオドラ・
ジョンス女史
18 アメリカ一ドル紙幣の秘密
19 荒海や
20 蟻
21 アルスのクーレ
22 アルベルト・ハイム
23 安息日
イ
24 イエケル家のアイジク
25 イカサマ賭博
26 イカルス
27 異境備忘録
28 池大雅
29 イザヤ書六章
30 石童丸
31 イソップ
32 市川団蔵
33 無花果
34 いちょらやあゑ
35 一休禅師
36 出雲神話
37 因幡の白兎
38 稲荷おろし
39 犬
40 イフ
41 衣服
42 為福の道
43 岩田帯
44 岩戸神楽
ウ
45 ウエスレーの霊術
46 ウガリット文学
47 ウガンダの土人
48 ウダイ
49 宇宙間の記録
50 宇宙人
51 宇宙の発生
52 うちてしやまむ
53 禹歩
54 馬小屋のキリスト
55 生れ曜日の運勢
56 梅ヶ枝の手水鉢
57 浦島太郎
58 運命を司る星
59 ヴァンナ・
デイミトローヴァ女史
エ
60 エジプト考
61 エジプト四千年の秘密
62 エゼキエル予言
第2
63 エディプス
64 エドウイン・ラアーエル
65 エネルギー
66 エリシャとエリヤ
67 エレクトラ
68 縁切りの神
69 槐の木の下で
70 円道大師
71 役の小角
オ
72 大岡越前守
73 大国主大神
74 大国主命の神法道術
75 大国主命
76 オコゼの神
77 王と賢人
78 大友黒主
79 王様と卵
80 欧州古伝
81 尾形光琳の花見
82 おきながの法
83 お茶引く
84 弟橘媛
85 お富の貞操
86 オビット
87 親指
88 親指と秘印
89 音霊
カ
90 外人との話
91 カインとアベル
92 カクリミ
93 鰍沢
94 火星人の言葉
95 月光(がつこう)呪福術
96 活動大写真弁士メイ文句集
97 G城山の鬼神
98 桂春団治
99 勝つ霊符
100 カナの婚礼
101 カバラ(中扉)
102 カバラ呪法
103 カバラとタロット
104 カバラ秘解
105 カバラ秘号
106 甲虫
107 甲虫のレイフ
108 顔
109 紙治
110 雷
111 紙箱の絵
112 カムヤマトイワレヒコノミコト
113 唐崎の一つ松
114 ガリバー旅行記
115 カルデア人
116 カルデア占星
117 カルナとモーセ
118 かわや
119 カワラケ
120 観音
121 ガンジーの道
122 関白兼実と紹巴
123 願望達成の術
124 願望の経過を夢で予知する法
125 ガンマポイント
126 観無量寿経
キ
127 機会
第3
128 帰化人と秘言
129 菊五郎芸談
130 奇魂と話をする法
131 きざし
132 鬼神(1)
133 鬼神(2)
134 鬼神と天使と守護神
135 鬼神との約束
136 奇蹟の人々
137 杵屋六三郎
138 祈年祭
139 気魄
140 紀文二代目
141 鬼門を起すレイフ
142 鬼門を起す「レイフ」詳解
143 急々如律令
144 旧約エステル記
145 凶の中の吉
146 凶は吉の母なり
147 旭玉山
148 許由
149 ギリシャの話
150 ギルガメッシュ
151 際どいところ
152 際どいもの
153 勤労結婚
154 偶然
155 偶然と呪術
ク
156 クーランジュ
157 草津の湯
158 クシチガールブハ
159 楠小南
160 靴
161 靴屋
162 首飾り
163 蜘蛛(1)
164 蜘蛛(2)
165 くもの糸
166 クライスト
167 クリスマスの星
168 黒住宗忠と祈祷師
169 黒猫
ケ
170 傾城嵐曾我
171 ケーシーの予言(中扉)
172 競馬必勝
173 ケシの実
174 ゲーテ
175 ゲッセマネの園に於けるイエス
176 見気の法
177 玄胎
178 ケントク
コ
179 叩歯訣
180 庚申秘説
181 幸四郎芸談
182 幸田露伴
183 講談
184 神津神社
185 剛敵を征服する法
186 幸福の道
187 ゴールド・ラッシュ
188 呼吸運動
189 呼吸法
190 後光
第4
191 極楽浄土考
192 心の置き方
193 心の虚
194 小さんの謡
195 御所桜堀川夜討
196 古代伝承(1)
197 古代伝承(2)
198 コタツ
199 古伝霊術
200 古典の中の呪術
201 寿曾我
202 渾沌
サ
203 財貨
204 最後の晩餐(1)
205 最後の晩餐(2)
206 最古の本
207 財福のレイフ
208 災厄除けのレイフ
209 坂田三吉
210 サタン
211 サムヤマ
212 山海経(中扉)
213 山上の憶良
214 サンダー・シング
215 山店抄
216 山東京伝と馬琴
217 山東の石工
218 三人吉三
219 三人馬鹿
220 三昧
221 三密加持
222 三脈法
223 三遊亭円朝
シ
224 ジークフリード
225 塩
226 塩・写真
227 潮の流れ
228 志賀山流
229 時間と空間の制限
230 呪術奥儀
231 静岡の宿
232 失楽園
233 使徒パウロの第三の天
234 死と夢
235 死神サターン
236 死神ヤマ
237 死の彼方
238 ジプシイ茶占
239 紙幣
240 詩篇第八篇
241 邪視とトコヒ
242 シヤンカラの術
第5
243 周易参同契
244 受記品
245 祝詞への疑問
246 十言の呪言
247 守護天使と鬼神使役の次元
248 寿詞を用うること
249 呪術
250 束修
251 十戒
252 十返舎一九
253 柔敵を懐柔する法
254 秋風驚蛇
255 シュリーマン
256 鐘馗
257 浄瑠璃
258 ジョン・ウエスレー
259 神宮皇后
260 神社縁記
261 心中奇談
262 神託と政治
263 神通
264 神通力
265 神道文献
266 神秘世界への通路
267 神秘体験
268 神秘的体験者
269 神仏を盗む
270 人心幻惑術
271 申命記
272 神名秘儀(1)
273 神名秘儀(2)
ス
274 水晶凝視
275 水前寺公園
276 水天宮
277 水中に動く
278 数霊を日毎に用うる法(中扉)
279 スエーデンボルグ
280 スカーレット・レター
281 姿を消す法
282 スカンヂナビヤのレミン
283 助六由縁江戸桜
284 ステテコ踊り
285 スポールス
286 諏訪神社
セ
287 西域探険記
288 聖オーガスチン
289 聖書の中の秘伝
290 精神感応の扉をひらく鍵
291 生長の家
292 生霊
293 西王母
第6
294 青蛙堂鬼談
295 ゼーネフエルダー
296 セオロジー
297 セキナ
298 セキナ摘発法
299 関の扉
300 星占につくされた人々
301 刹那の手
302 節の重大性
303 仙界物語り
304 先代の身代
305 セラビム
306 仙術通谷法
307 千里眼
ソ
308 造化三神の念印
309 喪顔
310 測字占
311 即心即仏
312 創世紀
313 創世紀第六章
314 創世紀第二四章
315 創世紀第三二章
316 創世紀第三八章
317 曾根崎心中
318 蘇生のひめごと
319 そそり
320 蘇東坡
321 蘇民将来
322 ゾロアスター教(1)
323 ゾロアスター教(2)
タ
324 大革と秘伝
325 大機の年の星辰
326 太極
327 大黒様
328 大古の寿命
329 大唐西域記
330 ダ・ヴィンチ
331 多賀神社
332 高天原考
333 焚くほどに
334 竹内久一
335 田崎早雲
336 ダス・ハイリーゲ
337 脱魂の法
338 谷崎潤一郎と源氏物語
339 田原藤太
340 旅
341 ダビデとウリヤ
342 タブー
343 誕生石以外の宝石
344 タンホイザー
チ
345 智恩院サン(中扉)
346 茅の輪
347 力をぬくこと
348 智挙印と法界定印
349 千坂兵部
350 チベットの死の書
351 中国と世界制覇
352 長生法
ツ
353 ツアラトウストラ
354 通貨による方術
355 ツオピルス
356 塚原ト伝
第7
357 月が蒼い
358 月のレイフ
359 月夜の呪詛
360 ツタンカーメンの墓
361 積る恋雪の関の扉(1)
362 積恋雪関扉 (2)
テ
363 デイオゲネス
364 テイチウスの数列
365 帝網無尽三昧
366 鉄砲勇助
367 掌の力
368 デモクリストの原子論
369 テリル・マン女史の秘術
370 デルフオイの神託
371 天眼通
372 天剣秘帖
373 天使群
374 天主閣
375 天水のつくり方
376 天地秘印
377 蹄鉄
378 伝道書四章
379 天満宮由来
ト
380 冬至
381 道成寺
382 動物霊を駆使するコツ
383 トーフの絵
384 斗牛の間
385 時の長さ
386 年の数霊
387 とねりこ(中扉)
388 とねりこの秘伝
389 舎人親王
390 ドフトエフスキー
391 兎糞録
392 富の維持法
393 富森助右エ門
394 ドリアングレイの肖像
395 鳥居考
396 鳥占術
397 鳥の叉骨
398 ど忘れ防止
ナ
399 内出血を止める法
400 無いもの買い
401 なおらいの神歌
402 中江藤樹
403 中臣氏の子孫
404 中山道の出会い
405 中村勘三郎
406 流れる雲
407 なさぬ仲
408 ナザレのイエス
409 夏目漱石
410 ナポレオン
411 成島柳北
412 難解川柳
413 南泉和尚
414 南畝と蜀山人
ニ
415 和魂(にぎみたま)
416 ニジンスキー
417 日蓮
418 日蓮、空海、キリスト
419 日本の春本
420 日本神話
421 日本の辻占
422 人間の寿命
ヌ
423 沼地の素魂
第8
424 ヌミノーゼ
ネ
425 願いごとの秘伝
426 猫(1)
427 猫(2)
428 ネルヤ・ミカイロヴア
ノ
429 ノアの洪水
430 能
431 能と霊能
432 能の翁
433 能のシテ
434 呪がえしの法
435 「呪ひ」について
ハ
436 ハーバラーのたわむれ
437 パウル・テイリッヒ
438 パエトンの戦車
439 馬鹿
440 馬関海峡
441 化けた狸
442 八幡宮由来
443 噺家三遊亭遊三のこと
444 花の吉原
445 英一蝶
446 花ふりかかる仲の町
447 バベルの塔
448 バラ戦争
449 ハラルド・ブレーデセン
450 バルカンの伝説
451 バルザック
452 幡随院
453 バンドラの箱
454 比叡山縁起
ヒ
455 日枝神社
456 ピカアルドの占断
457 光源氏
458 秘伝
459 秘伝書
460 秘伝の尊さ
461 秘密
462 秘密荘厳三昧
463 微妙なところ
464 平田篤胤
465 頻死の白鳥
フ
466 ファウストの伝説
467 風姿花伝
468 風流志道軒
469 フェニックス
470 福来友吉
471 不射之射
472 藤原明子(中扉)
第9
473 富士見酒
474 二人の我
475 仏像
476 プトレマイオ五世
477 船戸の神の戸───霊術の祖
478 船酔いとエレベーター
479 ブルグ
480 フレイザー
481 文献
ヘ
482 ベーカー・エッディ夫人
483 別我
484 鼈甲斉虎丸
485 ベニスの商人
486 蛇
487 ヘラヘラヘッタカ
488 ヘリゲル博士の弓
489 ペンテコステの説話
490 ヘンデルのメシヤ
ホ
491 ホイッチングトン
492 ボードレール
493 方術十九種目
494 法性実有三昧
495 法性坊尊意
496 宝石とヴァイブレーション
497 豊族
498 法如空三昧
499 ポール・ロプソン
500 北欧神話
501 穆天子伝
502 北欧神話と日本神話
503 欲しいものを手に入れる法
504 ホトタタラヒメ
マ
505 麻雀
506 麻雀口訣
507 毎日の数霊
508 魔界文字
509 禍津日神
510 マクベス
511 マクベスの祟り
512 魔杖
513 魔女よけ
514 まむしのお関(中扉)
第10
515 升田幸三
516 マタイ伝一章
517 マタイ伝二一章
518 松川妻吉
519 魔よけの法
520 マルコポーロ
521 マルチン・ブーバー
522 円山応挙
523 万法皆空三昧
524 万葉集十五
ミ
525 ミダス王
526 道長と一遍上人
527 水占の法
528 水の冥想
529 禊祓
530 弥勒菩薩
531 三輪神社
ム
532 無門関
533 無想剣
534 六つの羽根
535 紫式部
536 紫の上
メ
537 明夷待訪録
538 目を閉じる法
539 眼なし達磨
540 メフィスト
モ
541 盲人の結婚
542 モーセ(1)
543 モーセ(2)
544 モーセの奇蹟
545 最上川
546 もてなし
547 物を習う
548 桃
549 門
ヤ
550 ヤコブ・ベーメ
551 ヤコブ
552 柳の下のドジョウ
553 柳家三亀松
554 矢の根
555 山姥之穴
556 闇夜に灯なくして物が見える法
ユ
557 夕顔
558 遊魂帰魂保身術(中扉)
559 幽数と言霊
560 弓月の君
561 夢
562 夢で異性と交わる法
563 夢の世界
ヨ
564 楊貴妃
565 横谷宗
566 芳沢あやめ
567 義経
568 吉田文五郎丈
569 吉原考
第11
570 吉原の呪術
571 ヨセフ
572 予兆
573 四葉のクローバー
574 ヨナ書
575 四人の淫婦
576 ヨハネ伝十二章
577 ヨハネ黙示録(1)
578 ヨハネ黙示録(2)
579 ヨブ記
580 ヨブと朝顔
581 黄泉比良坂の秘伝
582 四千両小判梅葉
ラ
583 雷の神
584 ラクペリー氏説
585 洛陽にて
586 ラッパの円太郎
587 ラビ・ソロモンの封印
リ
588 力士国港
589 龍
590 龍神
591 綸言汗の如し
592 臨済録
ル
593 ルカ伝十三
594 ルシファの反逆
595 ルソー
596 ルドルフ・オツー
レ
597 霊界眼
598 霊人、エドガー・ケーシイ
599 霊術とコトバ
600 霊術の修得
601 霊術の恥部
602 霊術のもと
603 霊との対話
604 レイフについて
605 霊力
606 列王紀下十七章
607 恋愛三昧
ロ
608 ローソク
609 臘人形
610 6と8の幽数
611 六曜
612 ロゴス
613 魯の哀公
614 ロレンス
ワ
615 わが身を守り抜く術
616 狎客十人(中扉)
617 ワルブルギスの夜
618 霊術者としての源氏物語
第12
扉
619 幽数密用法策と秘鍵
数のとり方、基本とカバラ秘号
ローマ字表
第1表 基本
第2表 カバラ秘号
例題 1、2
3、4
幽数秘解A
性質/男女関係
例題5/例題6
第3表 明暗録
幽数秘解B
男女関係/福運金運
第4表 出世時間
幽数秘解C
福運金運/健康
幽数秘解D
健康/色彩
幽数秘解E
色彩/株式
第5表 覚えておく要点
幽数秘解F
株式関係種目の範囲
競馬/宝くじ
第6表 時分表
第7表 万年暦
第13 占法集(1)
620 売茶翁(中扉)
621 欧州古伝(年、月、週日吉凶占示)
622 逆夢の正体
623 ジプシーの秘伝
624 ジプシーの茶占
625 人物の風貌、性格等を
簡単に知る法
626 生月と性格について
第14 占法集(2)
627 大つもごり(中扉)
628 トランプから文章を読む
629 トランプ秘解(1)
630 トランプ秘解(2)
631 トランプ秘解(3)
632 ドミノの象読み
633 宝石とヴァイブレーション(1)
634 宝石とヴァイブレーション(2)
635 水占
636 未来の夫妻を知る法
637 流星を見て吉数を得る法
638 六神占秘伝
第15 追想、レイフと伏字集
追想集
639 幼い頃
640 3歳の頃
641 8、9歳の頃
642 小学生の頃
643 子供時代
644 小学生時代
645 子供の頃
646 十代の頃
647 大正年間
648 小学生の頃
649 空襲の頃
650 昔の思い出
651 16歳の頃
652 19歳の頃
653 19歳の頃
654 19歳の頃
655 大正年間
656 19歳の頃
657 霊能力の話
658 青年時代
659 30歳の頃
660 30歳の頃
661 門司にいた頃
662 スワ山時代
663 仁田丸久の伝説
664 悩みの思い
665 鬼神の話
666 台風7号
667 近況のことども
668 死への思い
669 最後の言葉
670 琵琶湖(中扉)
レイフと伏字集
671 財福のレイフ
672 ラビ・ソロモンの封印
673 天使のレイフ
674 月のレイフ
675 セリーズ
676 運命を開く呪文
677 甲虫
678 Witches Alphabet
679 Witches Wheel
680 三尸レイフ
681 智挙印と法界定印
682 魔よけ印
683 災厄よけレイフ
684 鬼門を起すレイフ
685 伏字(1)
686 伏字(2)
687 伏字(3)
688 寿詞(1)
689 遺稿レイフ
690 寿詞(2)
691 木星のレイフ
692 秘印(1)
693 秘印(2)
694 秘印(3)
695 秘印(4)
696 伏字(4)
697 鳥居考
あとがき
仁田丸久著 上製箱入 菊判 928頁 本体28,000円
解 説
長岡大学教授 定 方 昭 夫
本書は、故仁田丸久氏が昭和30年11月から昭和48年5月迄行なった617話という膨大な講義記録からの抜粋である。その意味で「著」ではなく「講述」となっていることにまずご注意いただきたい。
仁田氏の講義は、昭和30年から昭和32年迄の「周易裏街道」、昭和37年の「周易わかれ道」、昭和39年から昭和42年迄の「星占セミナー」、昭和42年から昭和47年迄の「うらおもて周易作法」、昭和44年の「水晶球凝視秘伝」、昭和45年の「幽数秘策」、昭和47年から昭和48年迄の「玄秘求深」、遺稿となった昭和48年5月の「源氏物語と古星占秘策」と、十八年半もの長きにわたって行なわれており、和文タイプの講義プリントは延べ232冊にも及ぶという大著である。
本書は、氏の講義録の中より、表題の如く、「呪術」に関するもののみを拾い上げて、アイウエオ順に編集し直して昭和49年に発行されたものの復刻である。
仁田丸久氏の令名は、まず何といっても日本の易占界に高い、ただ亡くなられたのが昭和48年ということで、すでに四半世紀も過ぎ、氏を直接知る人も少なくなっている。
しかし逆に占術界にあっては、氏の名前は伝説的な人物として語り継がれているといってよいであろう。
東にあっては亡き加藤大岳師の「易学研究」、西にあってはこれも亡き紀藤元之介師の「実占研究」を通じて、氏の玄妙なる筆になるエッセイを読まれた斯界の読者が多いことと思う。
「講義録」とはいえ、一般に市販されることがなかったため、市場に講義録が出回ることは殆どなく、その意味もあって氏の名前と実像は「伝説」のオーラを帯びることとなったといえる。
筆者自身は、といえば、加藤師の高弟T氏より●仁田丸久氏●の名をその講義中に耳にし、しっかりとインプットしたものであった。その折り、氏の名はペンネームであり、本名をもじったアナグラムであることをも聞いたのである。そのT氏も今は亡く、時の流れを感ずる次第である。
仁田氏は明治33年に生まれ、昭和48年に74歳で亡くなられた。長らく商社に勤務され、国際的取り引きに従事されたことが講義の端々からうかがえる。
862頁から883頁迄掲載されている「追想」を拝見すれば、既に小学生の時に新聞社での人相の先生の講義を聞きに行ったとのことであるから、まさに「栴壇は双葉より芳し」である。
「術」はそれを使う人間の品性と切り離せない。「追想」にもあるように、家庭的にさまざまな苦労をされた氏であるからこそ、人間を幸福にすべき「術」を語るにふさわしいと思われてならない。
氏が生涯かけて取り組まれた「呪術」とはそもそも何であろうか?
小学館の「日本国語大辞典 第二版」の「呪術」の項を引くと、「超自然的な力を直接的方法で呼び起し、望んでいる現象を起させようとする行為。『まじない』と『うらない』とがあり、」とある。
「うらない」を「呪術」に含めるこの定義にはいささか疑問がない訳ではないが、逆にいえば、「まじない」と「うらない」の両者に通じた氏にはピッタリの定義かも知れない。
「呪術」にも二通りある。分り易くいえば「黒魔術」と「白魔術」であり、言う迄もなく前者は、人の不幸を願って行うものであり、後者は人の幸福のために成されるものである。
生々発展の道を歩むべき人間のために「呪術」が本来存在している筈であるが、「術」を扱う人間の品性が低い場合、「白」は容易に「黒」に転化してしまうことがあることに留意すべきである。
自らの品性の低さを人様にお話するのは何ともお恥ずかしい次第であるが、分り易いと思うので、一つのエピソードを紹介してみたい。
もう十年も前のことである。真夜中に電話が鳴った。実家は東京にあるので、何かあったか、と思って受話器をとったものの、ウンでもスンでもない。向うは黙ったままである。これはイタズラ電話か、と思ったものの、その時はいつにも増して疲れていたせいか真夜中に起されたことに対し正直頭に来て、「こういう奴はどうやって呪ってやろうか?」と思った瞬間、それこそ一秒二秒もたたないうちに、自分の心臓が苦しくなったのには本当にビックリした。
恐らく「呪ってやろう」というこちらの念が電話の向うに伝わり、それがブーメランの如くまた念を発した自分に戻ってきた、と考えてよいであろう。どこの誰だか知らないが、イタズラ電話をかけてきた人はビックリしたであろう、おそらく電話の相手も心臓が苦しくなった筈である。
しかしこの時自らの体で悟ったのは、「人を呪わば穴二つ」という古諺が本当である、ということである。いくら相手がどんなに悪くても呪ってはいけない、ということをこの諺は教えている。
本書に紹介されているいろいろな「術」は、さまざまな苦しみにあえいでいる人間の幸福のために、人間界に伝えられたモノと考えるべきであって、間違っても他人を不幸に陥れるために使われてはならないことを銘記すべきである。
本書の512頁で仁田氏は語っている、術の「正邪を分つ根拠は、古神道の弥栄に貢献するか否かにあります。どんな清らかなことをしても、自分の欲望のためや他人を陥れるためにすれば、邪法です。その証拠に、対手をやっつけようと思って霊術を使いますと、それは利くには利くのですが、その何倍かのはね返りを受けます。これはホントです。だから私も人間ですから、むかついたとき、コン畜生と思って相手をやっつけたい気持の起ることもありますが、私はグットこらえてやらぬことにしています。」
「これはホントです。」といわれた仁田氏の言葉の重みを本書の読者は噛み締めなければならない。仁田氏がいわれるからには、「ホント」なのである。
疑う人は、小生のように自ら痛みを体験されたらよろしい。時には、「イヤ、俺は自分で体験しなければ、何も信じないタチだから、仁田がそう言ったからとて、ハイ、そうですか、と信ずる訳にはいかない。」とおっしゃる豪傑もいらっしゃるかもしれない。
その方には、ご自分で責任をとる覚悟がおありならどうぞご勝手に、と言うしかない。
仁田氏が関わったこの世界では、目に見える現実以上に、厳しい法則が存在していることを、いづれ身をもって体験されるであろう、としか言いようがない。
さて、仁田氏その人について語らねばならない。
やはり「小学生のとき、英語が習いたくて荒物屋の二階に若夫婦が住んでいて英語を教えてくれるというので習いに行った。」(863頁)とのことであるから、氏の英語力には年期が入っている。氏が商社に勤めるにあたっては、この英語力がものをいったであろうし、またそれをいかして占術・呪術関係の洋書あさりが、氏の「学」と「術」に深みを与えているといってよい。
516頁に文献としてあがっている「十六~十九世紀古文書『妖魔学』『自然の神秘』『魔法的星占師』」等にも目を通しているフシがある。
人相学で一家をなし、仁田氏とも親交を結んだ八木喜三郎氏は、氏が亡くなられてスグの5月12日の追悼会の席上、次のように述懐している。
「仁田先生は非常に博学の方で何でも知っておられましたし、また一度読まれた本は決して忘れることのない方です。非常に記憶力の優れた方でした。私は逆に記憶力が弱く、今読んだ本を置いて次のことをしますと、もう先の本のことはすぐ忘れてしまうので、実に仁田先生をうらやましいと思いました。」(「源氏物語と古星占秘策」、120頁)
実に八木氏の申される通りの人であったろう、と生前仁田氏にお会いするチャンスのなかった筆者は思うものである。
筆者が初めて仁田氏の「周易裏街道」を手にした時の興奮というものを、いまだもって忘れることができない。
二〇年近くも前に神田の占い専門の古書店で「周易裏街道」を手にとって二、三枚も頁をめくらないうちに、この本の持つ価値を実感したものである。
あまりの高額に一瞬ひるんだものの、古本というものは出会った時が勝負、また今度と思ったら、その今度は永久に来ないもの、と思わなければいけない、というのが、長年の古本屋街通いから身に染み付いた智恵であって、恥ずかしながら、近くの銀行に駈け込んでカード・ローンで「周易裏街道」を購入した次第である。
どなたかが、「周易裏街道」を評して天下の奇書と呼ばれたとのことであるが、まさにその名に恥じない。
ただ物を知っているというだけなら、世の中いくらでも、失礼ながら掃いて捨てる程いるかもしれないが、氏程その学の深さをうかがわせる人は少ないといって間違いない、と思うものである。
その「学」の深さも、ただ深いというだけなら、そこらの大学教授の中にゴロゴロいるかもしれないが、氏の凄さには何といっても「術」の裏付けがあるからである。
「野に遺賢あり」とは氏のためにあるようなものである。
「周易裏街道」の講義は昭和30年に始まる。敗戦後わずかに一〇年。この頃の日本の知的風土といえば、まだまだ食うのが精一杯といっても間違いなかったであろう。
その中にあって、氏は、「深層心理学」を例にとれば、フロイト・ユング・アードラー・ソンディ等の書物に親しみ、自家薬籠中の物としている。フロイトは戦前からいくつか訳はあったとしても、ユング・ソンディが知られるのは講義よりはるかに後のことである。
得意の英語力でそれらの著作を次々にものにしていったことと思われる。
熱心なクリスチャンであった氏の蘊蓄の基本を形作っているのは、旧約・新約聖書である。
それに単なる信仰の書としてだけでなく氏は「霊術の書」として新たな光を当てる。
そのような眼を養う上で氏に最も影響を与えたのは、古神道「天行居」を主宰した友清歓真であろう。
仁田氏の著作のあちこちに見受けられる神法道術を語るとすれば、友清歓真を抜きには考えられない。戦前「大本教」内部で広報活動の一端を担った友清についてここで語るには紙数がないので、関心のある方は全集等の著作についてみられたい。
筆者の見る所、友清の有していた霊術の精神の核となるものは、確かに仁田氏に引き継がれた感がある。
「易」について友清はしばらく思いを潜めていた時期があると聞くが、「易」については仁田氏の「周易裏街道」に極まる、といってよいのではないだろうか?
既に本書を読まれた方はお分りと思うが、氏の蘊蓄には、恐れ入る他はない。
前述した深層心理学・聖書・神法道術などは序の口に過ぎない。
アトランティスやムーに始まる超古代史・エジプトに代表される古代史等の西洋の歴史だけではない。
日本の超古代史・古代史にも筆は及ぶ。「古事記」・「日本書紀」については当然それらの原文だけではなく、本居宣長の浩瀚な「古事記伝」にも目を通されている。といった具合である。
若い時、霊能を求めていろいろ本をあさり、人にも教えを乞うて騙されることもあったと語る氏であるからこそ、その眼光は紙背に徹し、本居翁の未解の部分にも正解を与えている、ということは何といってもスゴイ。
近年こそ人の口にのぼるようになったエドガー・ケイシーにも早くから仁田氏は注目されていた。
その関係でいえば超心理学・心霊科学への目配りは当然のことであって今更記す迄もないことであろう。
筆者が仁田氏にどうにもかなわない、と帽子を脱ぐのは、氏の日本の伝統文化と芸能に関する蘊蓄である。能・歌舞伎・落語等のいわば日本的なるものの中に、「呪術とその影」を見出す、その眼力の強さというものには、何とも圧倒されっ放しという他はない。
伝統文化の中でも、いわゆる古典に関する素養も、明治生まれだからという訳のものでもないであろう。
とりわけ日本文学の古典中の古典ともいうべき『源氏物語』を「霊術の書」とよんだのは、氏が初めてではなかろうか?
「霊術の書」としての『源氏物語』について語ろうとした矢先に、氏が急に亡くなられたということは、或いは、語ってはいけない、という意味での口封じであったのであろうか?と思うと身震いを感じずにはいられない。
「ウラナイ」としての「易」を論ずるにあたって、氏は語る、「一生を費やして『易』の本当の意味を知ろうとしてきた。」と。
氏の講述は、その言を裏切らない。こんな注釈書迄読んでいるのか、と思う程、清代の易学書にも目を通されているのである。
長年の講述のうちから、呪術に関するエッセンスを抜き出した本書は、仁田氏の生涯をかけた本当の意味での血と汗がにじんでいる。この世界に馴染みの少ない人の中には、或いは途中で読み過ごす一節があるやもしれないが、ほんの数行にも仁田氏の「マジナイ」と「ウラナイ」に取り組んだ一生が投影されていると思うべきである。
このような形で氏の研究の成果を手に入れられる我々は、幸せであると共に、氏の学恩に報いるべく、本書に記されている「呪術」を、自分のため、人のため生かすべく努めなければならないと思う。
それが亡き仁田氏に報いる道であると心から思う次第である。
(さだかた あきお 心理学研究室)
2001年8月15日(敗戦記念日)記す。
目 次
解 説──定方昭夫(長岡大学教授)
第1
ア
1 アーサー・フォード
2 相手を自由にする法
3 葵の上
4 悪魔の逃げ口
5 アコルの谷
6 朝顔日記
7 アジャリ
8 安達原
9 吾妻はや
10 アナン尊者
11 アブラハム
12 安部能成
13 アポカリプス
14 アポロ
15 天のうずめの命
16 天の咲手
17 アマンダ・セオドラ・
ジョンス女史
18 アメリカ一ドル紙幣の秘密
19 荒海や
20 蟻
21 アルスのクーレ
22 アルベルト・ハイム
23 安息日
イ
24 イエケル家のアイジク
25 イカサマ賭博
26 イカルス
27 異境備忘録
28 池大雅
29 イザヤ書六章
30 石童丸
31 イソップ
32 市川団蔵
33 無花果
34 いちょらやあゑ
35 一休禅師
36 出雲神話
37 因幡の白兎
38 稲荷おろし
39 犬
40 イフ
41 衣服
42 為福の道
43 岩田帯
44 岩戸神楽
ウ
45 ウエスレーの霊術
46 ウガリット文学
47 ウガンダの土人
48 ウダイ
49 宇宙間の記録
50 宇宙人
51 宇宙の発生
52 うちてしやまむ
53 禹歩
54 馬小屋のキリスト
55 生れ曜日の運勢
56 梅ヶ枝の手水鉢
57 浦島太郎
58 運命を司る星
59 ヴァンナ・
デイミトローヴァ女史
エ
60 エジプト考
61 エジプト四千年の秘密
62 エゼキエル予言
第2
63 エディプス
64 エドウイン・ラアーエル
65 エネルギー
66 エリシャとエリヤ
67 エレクトラ
68 縁切りの神
69 槐の木の下で
70 円道大師
71 役の小角
オ
72 大岡越前守
73 大国主大神
74 大国主命の神法道術
75 大国主命
76 オコゼの神
77 王と賢人
78 大友黒主
79 王様と卵
80 欧州古伝
81 尾形光琳の花見
82 おきながの法
83 お茶引く
84 弟橘媛
85 お富の貞操
86 オビット
87 親指
88 親指と秘印
89 音霊
カ
90 外人との話
91 カインとアベル
92 カクリミ
93 鰍沢
94 火星人の言葉
95 月光(がつこう)呪福術
96 活動大写真弁士メイ文句集
97 G城山の鬼神
98 桂春団治
99 勝つ霊符
100 カナの婚礼
101 カバラ(中扉)
102 カバラ呪法
103 カバラとタロット
104 カバラ秘解
105 カバラ秘号
106 甲虫
107 甲虫のレイフ
108 顔
109 紙治
110 雷
111 紙箱の絵
112 カムヤマトイワレヒコノミコト
113 唐崎の一つ松
114 ガリバー旅行記
115 カルデア人
116 カルデア占星
117 カルナとモーセ
118 かわや
119 カワラケ
120 観音
121 ガンジーの道
122 関白兼実と紹巴
123 願望達成の術
124 願望の経過を夢で予知する法
125 ガンマポイント
126 観無量寿経
キ
127 機会
第3
128 帰化人と秘言
129 菊五郎芸談
130 奇魂と話をする法
131 きざし
132 鬼神(1)
133 鬼神(2)
134 鬼神と天使と守護神
135 鬼神との約束
136 奇蹟の人々
137 杵屋六三郎
138 祈年祭
139 気魄
140 紀文二代目
141 鬼門を起すレイフ
142 鬼門を起す「レイフ」詳解
143 急々如律令
144 旧約エステル記
145 凶の中の吉
146 凶は吉の母なり
147 旭玉山
148 許由
149 ギリシャの話
150 ギルガメッシュ
151 際どいところ
152 際どいもの
153 勤労結婚
154 偶然
155 偶然と呪術
ク
156 クーランジュ
157 草津の湯
158 クシチガールブハ
159 楠小南
160 靴
161 靴屋
162 首飾り
163 蜘蛛(1)
164 蜘蛛(2)
165 くもの糸
166 クライスト
167 クリスマスの星
168 黒住宗忠と祈祷師
169 黒猫
ケ
170 傾城嵐曾我
171 ケーシーの予言(中扉)
172 競馬必勝
173 ケシの実
174 ゲーテ
175 ゲッセマネの園に於けるイエス
176 見気の法
177 玄胎
178 ケントク
コ
179 叩歯訣
180 庚申秘説
181 幸四郎芸談
182 幸田露伴
183 講談
184 神津神社
185 剛敵を征服する法
186 幸福の道
187 ゴールド・ラッシュ
188 呼吸運動
189 呼吸法
190 後光
第4
191 極楽浄土考
192 心の置き方
193 心の虚
194 小さんの謡
195 御所桜堀川夜討
196 古代伝承(1)
197 古代伝承(2)
198 コタツ
199 古伝霊術
200 古典の中の呪術
201 寿曾我
202 渾沌
サ
203 財貨
204 最後の晩餐(1)
205 最後の晩餐(2)
206 最古の本
207 財福のレイフ
208 災厄除けのレイフ
209 坂田三吉
210 サタン
211 サムヤマ
212 山海経(中扉)
213 山上の憶良
214 サンダー・シング
215 山店抄
216 山東京伝と馬琴
217 山東の石工
218 三人吉三
219 三人馬鹿
220 三昧
221 三密加持
222 三脈法
223 三遊亭円朝
シ
224 ジークフリード
225 塩
226 塩・写真
227 潮の流れ
228 志賀山流
229 時間と空間の制限
230 呪術奥儀
231 静岡の宿
232 失楽園
233 使徒パウロの第三の天
234 死と夢
235 死神サターン
236 死神ヤマ
237 死の彼方
238 ジプシイ茶占
239 紙幣
240 詩篇第八篇
241 邪視とトコヒ
242 シヤンカラの術
第5
243 周易参同契
244 受記品
245 祝詞への疑問
246 十言の呪言
247 守護天使と鬼神使役の次元
248 寿詞を用うること
249 呪術
250 束修
251 十戒
252 十返舎一九
253 柔敵を懐柔する法
254 秋風驚蛇
255 シュリーマン
256 鐘馗
257 浄瑠璃
258 ジョン・ウエスレー
259 神宮皇后
260 神社縁記
261 心中奇談
262 神託と政治
263 神通
264 神通力
265 神道文献
266 神秘世界への通路
267 神秘体験
268 神秘的体験者
269 神仏を盗む
270 人心幻惑術
271 申命記
272 神名秘儀(1)
273 神名秘儀(2)
ス
274 水晶凝視
275 水前寺公園
276 水天宮
277 水中に動く
278 数霊を日毎に用うる法(中扉)
279 スエーデンボルグ
280 スカーレット・レター
281 姿を消す法
282 スカンヂナビヤのレミン
283 助六由縁江戸桜
284 ステテコ踊り
285 スポールス
286 諏訪神社
セ
287 西域探険記
288 聖オーガスチン
289 聖書の中の秘伝
290 精神感応の扉をひらく鍵
291 生長の家
292 生霊
293 西王母
第6
294 青蛙堂鬼談
295 ゼーネフエルダー
296 セオロジー
297 セキナ
298 セキナ摘発法
299 関の扉
300 星占につくされた人々
301 刹那の手
302 節の重大性
303 仙界物語り
304 先代の身代
305 セラビム
306 仙術通谷法
307 千里眼
ソ
308 造化三神の念印
309 喪顔
310 測字占
311 即心即仏
312 創世紀
313 創世紀第六章
314 創世紀第二四章
315 創世紀第三二章
316 創世紀第三八章
317 曾根崎心中
318 蘇生のひめごと
319 そそり
320 蘇東坡
321 蘇民将来
322 ゾロアスター教(1)
323 ゾロアスター教(2)
タ
324 大革と秘伝
325 大機の年の星辰
326 太極
327 大黒様
328 大古の寿命
329 大唐西域記
330 ダ・ヴィンチ
331 多賀神社
332 高天原考
333 焚くほどに
334 竹内久一
335 田崎早雲
336 ダス・ハイリーゲ
337 脱魂の法
338 谷崎潤一郎と源氏物語
339 田原藤太
340 旅
341 ダビデとウリヤ
342 タブー
343 誕生石以外の宝石
344 タンホイザー
チ
345 智恩院サン(中扉)
346 茅の輪
347 力をぬくこと
348 智挙印と法界定印
349 千坂兵部
350 チベットの死の書
351 中国と世界制覇
352 長生法
ツ
353 ツアラトウストラ
354 通貨による方術
355 ツオピルス
356 塚原ト伝
第7
357 月が蒼い
358 月のレイフ
359 月夜の呪詛
360 ツタンカーメンの墓
361 積る恋雪の関の扉(1)
362 積恋雪関扉 (2)
テ
363 デイオゲネス
364 テイチウスの数列
365 帝網無尽三昧
366 鉄砲勇助
367 掌の力
368 デモクリストの原子論
369 テリル・マン女史の秘術
370 デルフオイの神託
371 天眼通
372 天剣秘帖
373 天使群
374 天主閣
375 天水のつくり方
376 天地秘印
377 蹄鉄
378 伝道書四章
379 天満宮由来
ト
380 冬至
381 道成寺
382 動物霊を駆使するコツ
383 トーフの絵
384 斗牛の間
385 時の長さ
386 年の数霊
387 とねりこ(中扉)
388 とねりこの秘伝
389 舎人親王
390 ドフトエフスキー
391 兎糞録
392 富の維持法
393 富森助右エ門
394 ドリアングレイの肖像
395 鳥居考
396 鳥占術
397 鳥の叉骨
398 ど忘れ防止
ナ
399 内出血を止める法
400 無いもの買い
401 なおらいの神歌
402 中江藤樹
403 中臣氏の子孫
404 中山道の出会い
405 中村勘三郎
406 流れる雲
407 なさぬ仲
408 ナザレのイエス
409 夏目漱石
410 ナポレオン
411 成島柳北
412 難解川柳
413 南泉和尚
414 南畝と蜀山人
ニ
415 和魂(にぎみたま)
416 ニジンスキー
417 日蓮
418 日蓮、空海、キリスト
419 日本の春本
420 日本神話
421 日本の辻占
422 人間の寿命
ヌ
423 沼地の素魂
第8
424 ヌミノーゼ
ネ
425 願いごとの秘伝
426 猫(1)
427 猫(2)
428 ネルヤ・ミカイロヴア
ノ
429 ノアの洪水
430 能
431 能と霊能
432 能の翁
433 能のシテ
434 呪がえしの法
435 「呪ひ」について
ハ
436 ハーバラーのたわむれ
437 パウル・テイリッヒ
438 パエトンの戦車
439 馬鹿
440 馬関海峡
441 化けた狸
442 八幡宮由来
443 噺家三遊亭遊三のこと
444 花の吉原
445 英一蝶
446 花ふりかかる仲の町
447 バベルの塔
448 バラ戦争
449 ハラルド・ブレーデセン
450 バルカンの伝説
451 バルザック
452 幡随院
453 バンドラの箱
454 比叡山縁起
ヒ
455 日枝神社
456 ピカアルドの占断
457 光源氏
458 秘伝
459 秘伝書
460 秘伝の尊さ
461 秘密
462 秘密荘厳三昧
463 微妙なところ
464 平田篤胤
465 頻死の白鳥
フ
466 ファウストの伝説
467 風姿花伝
468 風流志道軒
469 フェニックス
470 福来友吉
471 不射之射
472 藤原明子(中扉)
第9
473 富士見酒
474 二人の我
475 仏像
476 プトレマイオ五世
477 船戸の神の戸───霊術の祖
478 船酔いとエレベーター
479 ブルグ
480 フレイザー
481 文献
ヘ
482 ベーカー・エッディ夫人
483 別我
484 鼈甲斉虎丸
485 ベニスの商人
486 蛇
487 ヘラヘラヘッタカ
488 ヘリゲル博士の弓
489 ペンテコステの説話
490 ヘンデルのメシヤ
ホ
491 ホイッチングトン
492 ボードレール
493 方術十九種目
494 法性実有三昧
495 法性坊尊意
496 宝石とヴァイブレーション
497 豊族
498 法如空三昧
499 ポール・ロプソン
500 北欧神話
501 穆天子伝
502 北欧神話と日本神話
503 欲しいものを手に入れる法
504 ホトタタラヒメ
マ
505 麻雀
506 麻雀口訣
507 毎日の数霊
508 魔界文字
509 禍津日神
510 マクベス
511 マクベスの祟り
512 魔杖
513 魔女よけ
514 まむしのお関(中扉)
第10
515 升田幸三
516 マタイ伝一章
517 マタイ伝二一章
518 松川妻吉
519 魔よけの法
520 マルコポーロ
521 マルチン・ブーバー
522 円山応挙
523 万法皆空三昧
524 万葉集十五
ミ
525 ミダス王
526 道長と一遍上人
527 水占の法
528 水の冥想
529 禊祓
530 弥勒菩薩
531 三輪神社
ム
532 無門関
533 無想剣
534 六つの羽根
535 紫式部
536 紫の上
メ
537 明夷待訪録
538 目を閉じる法
539 眼なし達磨
540 メフィスト
モ
541 盲人の結婚
542 モーセ(1)
543 モーセ(2)
544 モーセの奇蹟
545 最上川
546 もてなし
547 物を習う
548 桃
549 門
ヤ
550 ヤコブ・ベーメ
551 ヤコブ
552 柳の下のドジョウ
553 柳家三亀松
554 矢の根
555 山姥之穴
556 闇夜に灯なくして物が見える法
ユ
557 夕顔
558 遊魂帰魂保身術(中扉)
559 幽数と言霊
560 弓月の君
561 夢
562 夢で異性と交わる法
563 夢の世界
ヨ
564 楊貴妃
565 横谷宗
566 芳沢あやめ
567 義経
568 吉田文五郎丈
569 吉原考
第11
570 吉原の呪術
571 ヨセフ
572 予兆
573 四葉のクローバー
574 ヨナ書
575 四人の淫婦
576 ヨハネ伝十二章
577 ヨハネ黙示録(1)
578 ヨハネ黙示録(2)
579 ヨブ記
580 ヨブと朝顔
581 黄泉比良坂の秘伝
582 四千両小判梅葉
ラ
583 雷の神
584 ラクペリー氏説
585 洛陽にて
586 ラッパの円太郎
587 ラビ・ソロモンの封印
リ
588 力士国港
589 龍
590 龍神
591 綸言汗の如し
592 臨済録
ル
593 ルカ伝十三
594 ルシファの反逆
595 ルソー
596 ルドルフ・オツー
レ
597 霊界眼
598 霊人、エドガー・ケーシイ
599 霊術とコトバ
600 霊術の修得
601 霊術の恥部
602 霊術のもと
603 霊との対話
604 レイフについて
605 霊力
606 列王紀下十七章
607 恋愛三昧
ロ
608 ローソク
609 臘人形
610 6と8の幽数
611 六曜
612 ロゴス
613 魯の哀公
614 ロレンス
ワ
615 わが身を守り抜く術
616 狎客十人(中扉)
617 ワルブルギスの夜
618 霊術者としての源氏物語
第12
扉
619 幽数密用法策と秘鍵
数のとり方、基本とカバラ秘号
ローマ字表
第1表 基本
第2表 カバラ秘号
例題 1、2
3、4
幽数秘解A
性質/男女関係
例題5/例題6
第3表 明暗録
幽数秘解B
男女関係/福運金運
第4表 出世時間
幽数秘解C
福運金運/健康
幽数秘解D
健康/色彩
幽数秘解E
色彩/株式
第5表 覚えておく要点
幽数秘解F
株式関係種目の範囲
競馬/宝くじ
第6表 時分表
第7表 万年暦
第13 占法集(1)
620 売茶翁(中扉)
621 欧州古伝(年、月、週日吉凶占示)
622 逆夢の正体
623 ジプシーの秘伝
624 ジプシーの茶占
625 人物の風貌、性格等を
簡単に知る法
626 生月と性格について
第14 占法集(2)
627 大つもごり(中扉)
628 トランプから文章を読む
629 トランプ秘解(1)
630 トランプ秘解(2)
631 トランプ秘解(3)
632 ドミノの象読み
633 宝石とヴァイブレーション(1)
634 宝石とヴァイブレーション(2)
635 水占
636 未来の夫妻を知る法
637 流星を見て吉数を得る法
638 六神占秘伝
第15 追想、レイフと伏字集
追想集
639 幼い頃
640 3歳の頃
641 8、9歳の頃
642 小学生の頃
643 子供時代
644 小学生時代
645 子供の頃
646 十代の頃
647 大正年間
648 小学生の頃
649 空襲の頃
650 昔の思い出
651 16歳の頃
652 19歳の頃
653 19歳の頃
654 19歳の頃
655 大正年間
656 19歳の頃
657 霊能力の話
658 青年時代
659 30歳の頃
660 30歳の頃
661 門司にいた頃
662 スワ山時代
663 仁田丸久の伝説
664 悩みの思い
665 鬼神の話
666 台風7号
667 近況のことども
668 死への思い
669 最後の言葉
670 琵琶湖(中扉)
レイフと伏字集
671 財福のレイフ
672 ラビ・ソロモンの封印
673 天使のレイフ
674 月のレイフ
675 セリーズ
676 運命を開く呪文
677 甲虫
678 Witches Alphabet
679 Witches Wheel
680 三尸レイフ
681 智挙印と法界定印
682 魔よけ印
683 災厄よけレイフ
684 鬼門を起すレイフ
685 伏字(1)
686 伏字(2)
687 伏字(3)
688 寿詞(1)
689 遺稿レイフ
690 寿詞(2)
691 木星のレイフ
692 秘印(1)
693 秘印(2)
694 秘印(3)
695 秘印(4)
696 伏字(4)
697 鳥居考
あとがき