目次
乾坤一代男
紀藤元之介著 上製 4/6判 300頁 本体1,900円
近代国家への道“作者”作者は福沢諭吉“役者”は高島嘉右衛門
幕末から明治にかけて貿易、鉄道、ガスと明治興隆に独創の天才を発揮した豪傑
“実業家”、“易聖”「呑象」の一代 現・横浜市中区“高島”町を地名に残す
序
易の理は深く、その用は広い。易の書を読んで修養して処世の道に適用し、あるいは原理を探求し内容を玩索して、研幾洗心の妙を窮めるもよろしく、又はこれを政治や経済に施こし開物成務の業を遂げるも良い。しかしてこれを実占に徴して、往を彰し来を察し、感通して吉凶を顕示し、世の為めに尽すに至っては、占者の仕事も容易なことではない。
呑象・高島嘉右衛門翁は、明治時代における著名な易占家であった。明治興隆の際に当って、幾多の艱難辛苦を経歴して、易学の蘊奥を極め、これを実占に活用して、国家社会のために貢献したことは、今なお識者の間に喧伝されている。我々後生は、ただ伝聞によって知るのみであるが、けだし豪傑の士である。
紀藤元之介氏著『乾坤一代男(易豪・高島嘉右衛門)』は、加藤大岳氏主宰の「易学研究」に連載されて、私も毎回愛読して来たものであるが、今般新たに上梓して刊行されることになったのは、この巨豪の面目を伝え、その真価を知らしめることにおいて、独り業界の人達の研鑽の指針たるばかりでなく、明治文化史の一面を明らかにするものとして、多くの寄与をなすであろうことを信ずる。明治時代には、各方面にわたって傑出した人材を生じたが、この時代的進展の様相と、その間に活躍する人物との交渉等が、この書を通じてよく描き出されていることは、明治に対する郷愁をそそらせることも少くないのである。
高田 真治
目 次
再刊にあたって
序 高田真治
序 小倉正恒
序 高島長政
序 細野生二
序 小玉呑象
第一章 若き日の嘉右衛門
一 嫩葉
二 心臓男
三 横浜進出
四 小判密売事件
五 入牢
六 回想
七 易経出現
八 破獄の陰謀
九 牢番と囚人
十 牢内の血闘
十一 佃島流刑
十二 三人の運命
第二章 乾坤一代男
一 高島嘉右衛門誕生
二 請負事始
三 オランダ領事タック
四 明治元年
五 僥倖
六 白菊物語
七 この父にしてこの子
八 ホテル経営
九 町易者と嘉右衛門とお倉
十 士族と華族
十一 倒木の怪
十二 地震と火事
第三章 事業家・高島嘉右衛門
一 日本最初の郵船(定期飛脚船)
二 独仏戦争を占う
三 記念碑
四 高島町を作る
五 遊廓と学校
六 横浜ガス会社の設立
第四章 易者・高島嘉右衛門
一 学者と易者
二 書家と易者
三 神主と易者
四 僧侶と易者
五 政治家と易者
六 易者と易者
七 易神と易者
八 杉浦重剛と呑象
九 呑象門の人々
十 結び
あとがき
紀藤元之介著 上製 4/6判 300頁 本体1,900円
近代国家への道“作者”作者は福沢諭吉“役者”は高島嘉右衛門
幕末から明治にかけて貿易、鉄道、ガスと明治興隆に独創の天才を発揮した豪傑
“実業家”、“易聖”「呑象」の一代 現・横浜市中区“高島”町を地名に残す
序
易の理は深く、その用は広い。易の書を読んで修養して処世の道に適用し、あるいは原理を探求し内容を玩索して、研幾洗心の妙を窮めるもよろしく、又はこれを政治や経済に施こし開物成務の業を遂げるも良い。しかしてこれを実占に徴して、往を彰し来を察し、感通して吉凶を顕示し、世の為めに尽すに至っては、占者の仕事も容易なことではない。
呑象・高島嘉右衛門翁は、明治時代における著名な易占家であった。明治興隆の際に当って、幾多の艱難辛苦を経歴して、易学の蘊奥を極め、これを実占に活用して、国家社会のために貢献したことは、今なお識者の間に喧伝されている。我々後生は、ただ伝聞によって知るのみであるが、けだし豪傑の士である。
紀藤元之介氏著『乾坤一代男(易豪・高島嘉右衛門)』は、加藤大岳氏主宰の「易学研究」に連載されて、私も毎回愛読して来たものであるが、今般新たに上梓して刊行されることになったのは、この巨豪の面目を伝え、その真価を知らしめることにおいて、独り業界の人達の研鑽の指針たるばかりでなく、明治文化史の一面を明らかにするものとして、多くの寄与をなすであろうことを信ずる。明治時代には、各方面にわたって傑出した人材を生じたが、この時代的進展の様相と、その間に活躍する人物との交渉等が、この書を通じてよく描き出されていることは、明治に対する郷愁をそそらせることも少くないのである。
高田 真治
目 次
再刊にあたって
序 高田真治
序 小倉正恒
序 高島長政
序 細野生二
序 小玉呑象
第一章 若き日の嘉右衛門
一 嫩葉
二 心臓男
三 横浜進出
四 小判密売事件
五 入牢
六 回想
七 易経出現
八 破獄の陰謀
九 牢番と囚人
十 牢内の血闘
十一 佃島流刑
十二 三人の運命
第二章 乾坤一代男
一 高島嘉右衛門誕生
二 請負事始
三 オランダ領事タック
四 明治元年
五 僥倖
六 白菊物語
七 この父にしてこの子
八 ホテル経営
九 町易者と嘉右衛門とお倉
十 士族と華族
十一 倒木の怪
十二 地震と火事
第三章 事業家・高島嘉右衛門
一 日本最初の郵船(定期飛脚船)
二 独仏戦争を占う
三 記念碑
四 高島町を作る
五 遊廓と学校
六 横浜ガス会社の設立
第四章 易者・高島嘉右衛門
一 学者と易者
二 書家と易者
三 神主と易者
四 僧侶と易者
五 政治家と易者
六 易者と易者
七 易神と易者
八 杉浦重剛と呑象
九 呑象門の人々
十 結び
あとがき