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乾坤一代男

乾坤一代男
著者 紀藤 元之介
ジャンル 運命学 > 周易・五行易
出版年月日 2006/12/25
ISBN 9784885943906
判型・ページ数 A5・300ページ
定価 本体1,900円+税
在庫 在庫あり
 

目次

乾坤一代男  
紀藤元之介著 上製  4/6判 300頁 本体1,900円

近代国家への道“作者”作者は福沢諭吉“役者”は高島嘉右衛門
幕末から明治にかけて貿易、鉄道、ガスと明治興隆に独創の天才を発揮した豪傑
“実業家”、“易聖”「呑象」の一代 現・横浜市中区“高島”町を地名に残す


 序

 易の理は深く、その用は広い。易の書を読んで修養して処世の道に適用し、あるいは原理を探求し内容を玩索して、研幾洗心の妙を窮めるもよろしく、又はこれを政治や経済に施こし開物成務の業を遂げるも良い。しかしてこれを実占に徴して、往を彰し来を察し、感通して吉凶を顕示し、世の為めに尽すに至っては、占者の仕事も容易なことではない。
 呑象・高島嘉右衛門翁は、明治時代における著名な易占家であった。明治興隆の際に当って、幾多の艱難辛苦を経歴して、易学の蘊奥を極め、これを実占に活用して、国家社会のために貢献したことは、今なお識者の間に喧伝されている。我々後生は、ただ伝聞によって知るのみであるが、けだし豪傑の士である。
 紀藤元之介氏著『乾坤一代男(易豪・高島嘉右衛門)』は、加藤大岳氏主宰の「易学研究」に連載されて、私も毎回愛読して来たものであるが、今般新たに上梓して刊行されることになったのは、この巨豪の面目を伝え、その真価を知らしめることにおいて、独り業界の人達の研鑽の指針たるばかりでなく、明治文化史の一面を明らかにするものとして、多くの寄与をなすであろうことを信ずる。明治時代には、各方面にわたって傑出した人材を生じたが、この時代的進展の様相と、その間に活躍する人物との交渉等が、この書を通じてよく描き出されていることは、明治に対する郷愁をそそらせることも少くないのである。
                                   高田 真治


目 次

  再刊にあたって 
  序 高田真治  
  序 小倉正恒  
  序 高島長政  
  序 細野生二 
  序 小玉呑象  

 第一章 若き日の嘉右衛門 
  一 嫩葉 
  二 心臓男 
  三 横浜進出 
  四 小判密売事件 
  五 入牢 
  六 回想 
  七 易経出現 
  八 破獄の陰謀 
  九 牢番と囚人 
  十 牢内の血闘 
  十一 佃島流刑 
  十二 三人の運命 

 第二章 乾坤一代男 
  一 高島嘉右衛門誕生 
  二 請負事始  
  三 オランダ領事タック 
  四 明治元年 
  五 僥倖 
  六 白菊物語  
  七 この父にしてこの子 
  八 ホテル経営 
  九 町易者と嘉右衛門とお倉 
  十 士族と華族 
  十一 倒木の怪 
  十二 地震と火事 

 第三章 事業家・高島嘉右衛門 
  一 日本最初の郵船(定期飛脚船) 
  二 独仏戦争を占う 
  三 記念碑 
  四 高島町を作る 
  五 遊廓と学校 
  六 横浜ガス会社の設立 

 第四章 易者・高島嘉右衛門 
  一 学者と易者 
  二 書家と易者 
  三 神主と易者 
  四 僧侶と易者 
  五 政治家と易者 
  六 易者と易者 
  七 易神と易者 
  八 杉浦重剛と呑象 
  九 呑象門の人々 
  十 結び 
   あとがき 

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